不特定多数の人が利用する建物は、災害にあった際に甚大な被害を起こすことが予想されます。被害を防ぐため、定期的な検査・点検が必要であるため、建物の管理者や所有者はその検査結果を自治体に報告する義務があります。
ですが、指定される建物や手数料などは自治体によって変わるため、大変だと思っている方も多いと思います。
そこで今回は、福島県の定期報告制度について詳しくご説明します。
建物の定期報告とは?
一定の用途・規模の建築物(特定建築物)は、定期的にその所有者・管理者が専門家に調査・検査をさせてその結果を特定行政庁に報告する、ことが建築基準法第12条において定められています。この制度のことを「建物の定期報告」と言います。
福島市・郡山市・いわき市においては、それぞれの市で定期報告対象建築物等を定めていますので、各市担当課へ問い合わせる必要があります。
参考URL:建築基準法第12条に基づく特殊建築物の定期報告制度について
特定建築物定期検査
「特定建築物」の定期調査項目は細かく定められており、大きく6項目に分けられています。それらを表にまとめて解説いたします。
調査方法 | 調査項目 | |
敷地・地盤 | 目視 築10年を超える建物は外壁打設診断が必要。 |
建物周辺地盤の安全性を損ねる凹凸や傾斜などの有無や敷地内通路の適法性等 |
屋上・屋根 | 目視 | 屋上面が劣化していないか。屋上周りの排水がきちんと機能しているか。など |
建築内部 | 目視 | 内部壁・床・天井などの損傷 |
避難施設・非常用進入口 | 目視 排煙設備や非常用照明は実際に動作確認 |
避難通路の幅員は十分か。避難の妨げになる物品は置かれていないか。 |
その他 | 目視 | 避雷設備や煙突などの適法性 |
判断基準は項目により異なりますが、「要是正」「重要点検事項」「指摘無し」の3段階となります。
「重要点検事項」などについてはさらに詳しい調査を行う場合もあります。
建築設備定期検査
建築設備定期検査の対象となる設備は「特定建築物」内に設ける設備が対象となり、大きくわけると3つの設備がその対象となります。
・「換気設備」(自然換気設備及び共同住宅の住戸に設けるものを除く)
・「排煙設備」火災が起きた時に自動的に煙を外に出して設備。建物の中にいる人の安全を確保するためのもの。
・「非常用照明装置」建物内照明が電気的に遮断された際、自動的に非常電源に変わり室内や通路を照らす照明のこと。これも建物の中にいる人の安全を確保するためのもの。
防火設備定期検査
福島県で防火設備定期検査を行わなければならないのは、以下の2つです。
・定期報告をしなければならない建物と、寄宿舎に設置された、閉鎖及び作動ができるもの(防火ダンパーを除く)
・病院、診療所と、就寝用途の福祉施設のうち、床面積が200平方メートル以上の建築物に設けられる防火設備
参考URL : 福島県公式サイト 建築基準法第12条に基づく特殊建築物の定期報告制度について
昇降機・遊戯施設等の定期検査
「特定建築物」内にあるすべてのエレベーター及び小荷物専用昇降機が対象となります。
昇降機・遊戯施設定期検査では一級建築士・二級建築士・昇降機等検査員が6ヶ月~1年ごとに、国土交通大臣が定める基準に適合適合しているかどうかを検査します。検査項目ごとに「要是正」「重要点点検」「指摘なし」判断結果があり、「要是正」の判断結果項目について是正しない場合には罰則の規定があります。検査毎に定期検査報告済証が発行されるので、エレベーター内操作盤上部の見えやすい位置に貼り付けて昇降機の安全を表示します。
参考URL : 福島県公式サイト 建築基準法第12条に基づく特殊建築物の定期報告制度について
定期報告をしなければならない対象の建物は?
定期報告をしなければならない建物を、特定建築物と呼びます。
多くは不特定多数の人が集まる建物が指定されていますが、都道府県ごとに分類は変わっています。
福島県で定期報告をしなければいけない対象の建物は、以下の表の通りです。
用途 | 階数、規模 |
---|---|
劇場、映画館又は演芸場 | ・3階以上の階(計100平方メートル超) ・客席が200平方メートル以上 ・主階が1階にない ・地階(計100平方メートル超) |
観覧場(屋外観覧場を除く)、公会堂又は集会場 | ・3階以上の階(計100平方メートル超) ・客席が200平方メートル以上 ・地階(計100平方メートル超) |
病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る) 児童福祉施設等※1 盲導犬訓練施設 更生施設 救護施設 |
3階以上の階(計100平方メートル超) ・2階が300平方メートル以上 ・地階(計100平方メートル超) |
旅館又はホテル | ・3階以上の階(計100平方メートル超) ・2階が300平方メートル以上 ・地階(計100平方メートル超) |
下宿、共同住宅(サービス付き高齢者向け住宅を除く)、 寄宿舎(サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム、障害者グループホームを除く) |
・3階以上かつ1,000平方メートル以上(調査項目は外壁等に限る) |
共同住宅(サービス付き高齢者向け住宅に限る。)、 寄宿舎(サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム、障害者グループホームに限る) |
・3階以上の階(計100平方メートル超) ・2階が300平方メートル以上 ・地階(計100平方メートル超) |
学校又は体育館(学校に付属するものに限る) | 3階以上・2,000平方メートル以上 |
体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、 スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場 |
・3階以上の階(計100平方メートル超) ・2,000平方メートル以上 |
百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、 ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、 待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗(床面積が10平方メートル以内のものを除く) |
・3階以上の階(計100平方メートル超) ・3,000平方メートル以上 ・2階が500平方メートル以上 ・地階(計100平方メートル超) |
事務所その他これらに類するもの | 5階以上かつ1,000平方メートル超(調査項目は外壁等に限る) |
参考URL : 福島県公式サイト 建築基準法第12条に基づく特殊建築物の定期報告制度について
福島県で定期報告を行う時期
特定行政庁の建築基準法施行細則の規定によります。福島県の場合は以下の表の通り、各検査対象によって異なります。締め月が定められているので注意が必要です。
建築物 | 3年毎の9月30日まで |
建築設備 | 1年毎(建築基準法施行規則第6条第1項に規定する国土交通大臣が定める項目にかかるものは3年毎) |
防火設備・小荷物昇降機 | 1年毎 |
参考URL:福島県公式サイト 建築基準法第12条に基づく特殊建築物の定期報告制度について
定期報告の提出先は?
提出先は対照となる建物の場所を所轄している7つの建設事務所建築住宅課となります。エリアの確認は福島県建築指導課に連絡して確認できます。
なお福島県については災害等の影響もあり、定期報告に関する免除等などもありますので、下記の福島県のホームページで詳しい内容を確認しておくと良いでしょう。
ヒロ総合メンテナンス合同会社では、検査から提出、その後のファイリングまで一括して行いますので、ご不明点がございましたら、いつでもお申し付けください。
参考URL:福島県公式サイト 建築基準法第12条に基づく特殊建築物の定期報告制度について
福島県の定期報告の手数料
福島県の定期報告に関わる費用は無料です。
ですが、定期点検を依頼する業者の検査料金や報告代行手数料のみで定期点検を行うことができます。
ヒロ総合メンテナンス合同会社では、「延べ床面積」「築年数」などから、お見積もりをお出しいたします。福島県の定期報告なら、ぜひ弊社にお問い合わせください。
福島県での定期報告の事例①
敷地・建築物の外部調査
屋上調査
福島県のアパートで特定建築物定期調査を行いました。
福島県での定期報告の事例②
敷地・建築物の外部調査
屋上調査
福島県の寮で特定建築物定期調査を行いました。
福島県で定期報告を任せるなら”ヒロ総合メンテナンス合同会社”
福島県における建物の検査や、定期報告についてお考えなら、ヒロ総合メンテナンス合同会社にご相談ください。
工場や病院、学校など、様々な建物の定期報告の実績がある弊社では、長年培った経験と知識でお客様に満足いただけるきめ細かいサービスを提供しております。
検査・点検から提出、報告後のファイリングまで私たちにお任せください。
お見積もりは無料でお出しいたしますので、お気軽にお問い合わせください。